Pax Japonica (パックス・ジャポニカ) へ続く道~なぜ我が国でイノヴェーションが起きないのか~

2022.06.29

弊研究機構のVisionである「Pax Japonica(パックス・ジャポニカ)」の実現。
この言葉に対し、私たちはどのような定義付けができるでしょうか。


今回は「なぜ我が国ではイノヴェーションが起きにくいのか」について考えていきたいと思います。Pax Japonicaの実現を目指していく過程で、我が国の「強み」と「弱み」を知ることは必要不可欠です。


イノヴェーションという用語には複数の意味や定義がつけられていますが、ここでいうイノヴェーションとは「ゼロからの付加価値の生産」という意味で使用しています。

(出典:Pixaboy)


我が国では何がそういったイノヴェーションを妨げているのか考える前に、John A Young著 “Global Competition – The New Reality” (1985)による、米国でイノヴェーションを起こすためのベースとされている4つの要素を見てみます。 


我が国はテクノロジーイノヴェーションが成功していると一般的に信じられていますが、日本人は知識の豊かさにも関わらず、知識と経験に基づいて新しいものを創り出さない傾向があります。かつては革新的な製品を創り出していた大手企業も、思ったような成果を出せていないケースも多く見られます。


競争上の優位性である「テクノロジーを創り、適用し、保護すること」

・投資に利用できる資本の配給を増やし、アメリカのビジネスへのコストを削減すること

・より熟練し、柔軟で意欲的な労働力を育成すること

・国内での商業を優先し、自分たちが操作する世界貿易システムを強化すること



一方我が国では、大企業や成功している中企業は、将来を心配し、イノヴェーティブなヴェンチャー企業を金銭的に支援しないという傾向があります。

さらに、我が国の大企業はヴェンチャーや中小企業とイノヴェーションエコシステムを創らず海外の国からテクノロジーを導入しています。また、人事マネジメントに関しても、“普遍的”に該当しない人は、他の“普通の”同僚と協調できないということで良くないとみなされ指摘されます。


さて、我が国においては考えてみると、先ほど述べた4つの要素が適用されていると言えるのでしょうか。

自らイノヴェーションを起こすという選択を放棄してはいないでしょうか。



Pax Japonicaのコンセプトを考えていく過程で、我が国では何が欠けているのか、改善するためにはどうするのかと考えるのも興味深いですね。

また次回も引き続きPax Japonicaのコンセプトを考えていきます。


Pax Japonicaのコンセプトを考える②はこちらからご覧ください

Pax Japonicaのコンセプトを考える② | RIJAG|一般社団法人日本グローバル化研究機構


参考文献

Harada, T., 2017. Pax Japonica; the resurrection of Japan, 2, Japan as a State of Failed Innovation, pp.58-112.

Young, J., 1985. Global Competition – The New Reality; Results of the President’s Commission on Industrial Competitiveness, pp. 501-509.