食糧危機問題から我が国の未来を考える

2022.07.07

今回は、メディアでもよく取り上げられているウクライナ侵攻における食糧危機についての考察を述べます。


世界の小麦供給量の約3分の1を占めているロシア勢及びウクライナ勢からの供給が回復しないことで、主にアフリカ勢や中東勢からイタリア勢、スペイン勢、ギリシャ勢及びマルタ勢などの地中海諸国に「食糧難民」が到来する可能性が表明されています。既に約36,000人の移民及び亡命希望者が出ていますが、小麦の供給が回復しない限り、移民の流れも止めることができないという懸念があります。(Czech News Agency, 2022)

(出典:Pixaboy)

一方農林水産省(2021)によると2020年時点で我が国は63%もの食料を輸入に頼っています。これは食糧自給率でいうと、先進国の中で最も低いです。この事実を考えると世界規模の食糧危機が起こると我が国も対処が難しくなります。また、日本に食糧難民が流れてくる場合や、更には我が国から食糧難民が出てきた場合、混乱の事態が起こる可能性もあります。


食糧危機を緩和するには、

世界市場に安定性をもたらす。ボラティリティを減らす。商品価格の不安定さと債務コストに取り組むなど人々と国同士の協力が必要です。


そしてこういった食糧危機などの問題に対し我が国は、
持続可能な開発目標(SDGs)に沿い、その目標達成を加速されるために査定されている12のコミットメントの大切な提案である①誰一人取り残さない ⑩パートナーシップを強化する ⑫備える を意識して取り組み、前進する必要があるのではないでしょうか。

弊研究所は、Pax Japonica実現の為にこういった情報分析をし、情報リテラシーを行い喚起しています。これから我が国を変えていくのは、私たち一人一人の力が必要であり、意識していくのが第一歩と考えます。


またウクライナ戦争から起きている食糧危機の分析については原田武夫国際戦略情報研究所のマンスリー・レポート7月号に詳しく記載されています。

原田武夫国際戦略情報研究所 (haradatakeo.com)


またPax Japonicaに関する記事はこちらからご覧ください。

Pax Japonica (パックス・ジャポニカ) へ続く道~なぜ我が国でイノヴェーションが起きないのか~ | RIJAG|一般社団法人日本グローバル化研究機構



参考:

Czech News Agency. 2022. There are fears of a new wave of migration due to food shortages caused by the war in Ukraine, Remix News ed.  [e-article] Available at: Mediterranean countries expect new migrant crisis over food shortages from conflict in Ukraine (rmx.news). [Accessed on 6 July 2022].

農林水産省(2021) 『令和2年度食料自給率・食料自給力指標について』