我が国におけるLGBT問題

2023.06.09

最近「LGBT法案」を巡り様々なメディアで報道されています。

「LGBT理解増進法」は、自民党の性的指向・性自認に関する特命委員会が法制化を進めている法案で、

正式名称は「性的指向および性同一性に関する国民の理解増進に関する法律」です。

同法案は今月9日に与党案を修正することで一致しました。


LGBTの割合については、様々な組織が調査をしていますが、平均的なデータによると、

我が国においてLGBTの割合は人口の約10パーセント(約10人に1人)と言われています。この数値は我が国における左利きの割合とほぼ同じです。そう考えると、我が国におけるLGBTの割合は少なくないという印象を抱きます。

〈各組織による我が国におけるLGBT人口調査〉


そうした中で、経済協力開発機構(OECD)は以下のようなデータを提供しています(参考):

〈同性愛の受容度〉

〈性的マイノリティの法的認識度〉

上記のグラフは我が国をはじめとして、世界的にLGBTへの受容の余地がまだまだあるとも言えます。


個人的な見解ですが、未だ様々な国でLGBTの権利保障が実現していませんが、宗教的背景は根強く残っていると考えます。

例えばローマ教皇庁は同性関係にポジティヴな要素があると示唆しつつ、「同性婚を祝福することはできない」と公式見解を出しており、(参考

人口の約2割がプロテスト信者に当たる韓国では、世論調査機関の韓国ギャラップが2019年5月に実施した調査では、同性婚の法制化に35%が賛成し、56%が反対しているとのデータがあり、韓国のプロテスタントの保守派は、様々な場所で反同性愛運動を展開していたという背景もあります。(参考

そうした中で我が国においても、同性婚の反対を主張している宗教と政治との関わりも否定はできないのではないでしょうか。


しかしそうした中、今回のLGBT法案の修正合意が今後の我が国のジェンダーに対する考え方や在り方に大きく影響すると考えられます。

性的少数派、性的マイノリティーの方々を社会的に包摂していくのも“慈愛”の1つではないでしょうか。


社会貢献事業担当 中野陽子拝