ダムの破壊から見る「水」の重要性とは

2023.06.08

ロシア勢の侵攻が続くウクライナ勢南部ヘルソン州で6日にカホフカ水力発電所のダムが決壊した。この決壊は水インフラの破壊がいかに深刻な事態を引き起こすのかを改めて示した。

歴史を少し辿ると、第二次世界大戦では、「チャスタイズ作戦」と称して英国勢の空軍による爆撃軍団はルール地方のドイツのダムを攻撃した過去がある。当時の攻撃により、水の生産量が大幅に減少し、大量の農地が氾濫した。更にこうした水を使った攻撃は人的なダメ―ジを与えることにも留意しなくてはならない。むしろ人的な影響を与えらえるからこそ、「水」が狙われる側面を有する。

これまで水に関する世界最大級の会合である世界水フォーラムや国連の会合においても、度々システマティックアプローチという言葉を聞いた。これは、国連で定めている「持続可能な開発目標(SDGs)」のそれぞれの目標が互いに関連し合っており、複合的なアプローチで解決をすることを指す。

とりわけ「水」は地球上の全ての資源の基礎をなしているため、SDGsにおいても「水」へのアプローチが他の目標を達成するために「最優先の課題」であることが強調されている。

実際に、今回のウクライナ戦争においても、ダム破壊による水害が、飲料水のアクセスを閉ざし、多くの人々の命を危機にさらしている。

我が国に住んでいると中々、「水=資源」という認識が醸成しにくいのですが、ウクライナ戦争を機に「水」に対する認識が広まることを願うばかりです。

社会貢献事業担当 拝