ヤングケアラーに求められる慈愛とは
皆様は「ヤングケアラー」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
我が国において「ヤングケアラー」という言葉が使われ始めたのはつい最近のことで、
意味は文字通り「Young+Carer」を指します。 厚生労働省によると、“家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子ども”のことを指しています。(参考)
我が国における学校での「ヤングケアラー」概念の認識はどれくらい浸透されているのでしょうか。
日本総合研究所のヤングケアラーの実態に関する調査研究によると、
・言葉は知っているが、学校としては特別な対応をしていない:51パーセント
・言葉を知っており、学校として意識して対応をしている :41パーセント
上記のように約9割が「ヤングケアラー」という概念の認識はできていますが、半分以上は対応できていない状態です。
「ヤングケアラー」の対応が思うようにできていない理由としては、
・家庭内の問題であり、学校が詳しく家庭内部のことを把握したり、対応したりすることが難しい
・児童が学校では問題なく過ごしており、本人は問題意識がなく、当たり前のことだと思っている等が回答として挙げられています。(参考)
子どもたちは、家庭のことを話したがらない傾向があります。
またそれ以前の問題として、善悪の判断ができていない子どもたちは、自分の置かれている状況が“問題”として認識していないことがあります。
そういった子どもたちは、何かしらサインを出していることが多く、例えば以下が挙げられます。
・家出をする
・人のものを盗む
・不登校気味
このように様々な形で子どもたちはSOSを出していますが、そういった子どもたちに対して「慈愛」を持って接するのが大切なのではないでしょうか。
弊研究所では、Pax Japonica (パックス・ジャポニカ)、ニッポンの平和の実現を目指しており、社会貢献事業を展開しています。「ヤングケアラー」の課題も深刻に捉え、この問題に取り組んでいきたいと思います。
社会貢献事業担当 中野陽子拝
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