Pax Japonica(パックス・ジャポニカ)へ続く道② ~Anticipatory Innovation Governanceとは~
前々回の記事では、「なぜイノヴェーションを起こす必要があるのか」について考えてきました。そして、イノヴェーションを起こす場として我が国の科学技術イノヴェーション(STI)政策=Society5.0の存在について記載いたしました。
今回は、グローバル・レヴェルでのSTI政策について考えていきたいと思います。
経済協力開発機構(OECD)では、STI政策の最終的目標として「Anticipatory Innovation Governance(以下AIG) 予見的イノベーションガヴァナンス)」を掲げています。
AIGとは何かアイディアを得るために、OECDのObservatory of Public Sector Innovationが定義している「Anticipatory Governance」を見ていきましょう。(以下引用)
Anticipatory Innovation is the ability of organisations consistently perceive, understand and act on the future as it emerges in the present.1
(予見的イノヴェーションとは、機関が一貫して現在起こっている状況に基づいて、未来を認識、理解、そして行動する能力。)
換言すると、AIGとは、現在存在しているもの大量の情報をロジックに基づき分析し、将来起こるリスクを見通した上で国際的なスキームを構築していく、ということではないでしょうか。
弊研究所では、今ある情報を分析し、予測分析シナリオを作成し、そして日々の状況を観察し、それを通じて行動指針を決めていく、といった手法を設立当時から行っております。
いち早く情報を分析し、不透明な未来に備える。そしてそれは未来の世界を担うPax Japonica (パックス・ジャポニカ)の実現のための重要なキーとなるのではないのでしょうか。
社会貢献事業担当 中野陽子 拝
参考文献
1OECD. Exploring the future and taking action today. Observatory of Public Sector Innovation. [Available at] <Anticipatory Innovation – Observatory of Public Sector Innovation (oecd-opsi.org)>. [Accessed on 8th August 2022].
前回の記事はこちらからご覧ください。