Pax Japonica(パックス・ジャポニカ)へと続く道③ ~Public Engagementとは~

2022.08.24

今回も引き続き弊研究所のヴィジョンであるPax Japonica(パックス・ジャポニカ)の実現には何が必要なのか考えていきたいと思います。


前回はAnticipatory Governance (予見的ガヴァナンス)、いわゆる将来起こるリスクを見通した上で国際的なスキームを構築していくことが重要な要素の1つという見解を記載しました。

今回はPublic Engagement(パブリック・エンゲージメント)、日本語に訳すと「市民参画」、のPax Japonica(パックス・ジャポニカ)における重要性について考えていきたいと思います。


まず、イギリスのNational Co-ordinating Centre for Public Engagement (NCCPE) はPublic Engagement (パブリック・エンゲージメント)とはなにかという定義を提唱しています。

以下引用


“Public engagement describes the myriad of ways in which the activity and benefits of higher education and research can be shared with the public. Engagement is by definition a two-way process, involving interaction and listening, with the goal of generating mutual benefit.”

パブリック・エンゲージメントとは、高等教育や研究の活動やその恩恵を公衆に共有するあらゆる手段のことを示し、エンゲージメントとは、定義の通り相互利益を生み出すこと目的とした交流と傾聴を伴う双方向のプロセスのことである。(筆者翻訳)


それではなぜパブリック・エンゲージメントが重要視されるのでしょうか。

これもまた、現代において社会的不安が蔓延する中、科学技術、イノヴェーション政策の必要性に繋がるからです。具体的には、我が国や世界が抱える環境問題、少子高齢化問題や資源エネルギー等といった社会課題について、パブリック・エンゲージメントをすることで、市民一人一人の意識を高め、多様なセクターの参画を推進し、そして社会課題解決に向けての具体的、実践的な研究開発の促進を可能するという重要な役割を果たします。

(出典:Pixabay)


ここにおける高等教育や研究の活動とは主に、「大学」を示しています。

まずは大学の教育・研究内容を、社会に共有し、一般市民の科学技術に対しての理解の向上を目指すことから、Pax Japonica(パックス・ジャポニカ)実現のステップアップになるのではないでしょうか?



(参考文献)

National Co-ordinating Centre for Public Engagement. What is public engagement?  [online] Available at: <What is public engagement? | NCCPE> [Accessed on 24 August 2022].

社会貢献事業担当 中野陽子 拝


前回の記事はこちらからご覧ください。

Pax Japonica(パックス・ジャポニカ)へ続く道② ~Anticipatory Innovation Governanceとは~ | RIJAG|一般社団法人日本グローバル化研究機構