我が国の『幸福』には何が必要なのか
前回の記事では、我が国におけるWell-being(幸福の高さ)について考えました。
我が国では、「雇用と仕事の質、健康状態、知識と技能、安全」の項目がOECD(経済協力開発機構)において高く評価されているという議論をしました。
今回は反対に、我が国のWell-beingの欠乏している項目について考えて行きたいと思います。
OECDが公式に出しているWell-beingの項目で、我が国が全く評価されていない、またはほぼ評価されていない項目が5つあります。(参考)
項目/具体的な測定基準
・環境の質/緑地へのアクセス
・主観的幸福/生活満足度
・仕事と生活のバランス/休暇
・社会とのつながり/社会的交流
・市民参加/投票率
です。
またこの項目の中でも上位層と下位層のギャップや集団間の差異が大きい項目があります。
項目/不平等の測定基準
・主観的幸福/負の感情バランス
・仕事と生活のバランス/性別による仕事時間の差
・社会とのつながり/社会的支援の欠乏
・市民参画/政府への発言権
また、今年7月13日に世界経済フォーラムが「男女格差報告2022」(参考)を発表しました。その中で、我が国のジェンダー・ギャップ(男女格差)指数は146か国中116位でした。これは主要7か国(G7)で最下位です。
Pax Japonicaの実現を目指し、我が国が積極的に世界をリードしていくには、まずは人々の間の格差を小さくしていく、というのも課題解決に繋がる一つなのかもしれません。
前回の記事「我が国における幸福の高さ(Well-being)は、本当に幸福につながっているのか。」もこちらでご覧ください。
我が国における幸福の高さ(Well-being)は、本当の幸福につながっているのか。 | RIJAG|一般社団法人日本グローバル化研究機構
社会貢献事業担当 中野陽子拝