大規模言語モデルを業務に組み込む―API活用入門(クスノキ・プロジェクトへの招待 Vol. 24)

こんにちは。インターン生の田頭優花です。
これまでのブログでは、AIを用いた事業承継のための基礎として、Pythonの基本、機械学習(分類、回帰)について取り扱ってきました。
・実践編―30分でPythonを触ってみる(クスノキ・プロジェクトへの招待 Vol. 21)
・機械学習を1から学びたい方へ(クスノキ・プロジェクトへの招待 Vol. 22)
・Python初心者が機械学習で売上を予測してみた(クスノキ・プロジェクトへの招待 Vol.23)
今回は、「APIを通じて大規模言語モデルを使ってみる」ことを実践してみます。AIをいかにビジネスに応用するのか実感できる内容ですので、ぜひ手を動かしてコードを実行してみてください。
APIとは、Application Programming Interfaceの略です。簡単に言うと、ソフトウェアの機能を外部から利用するための窓口のことです。例えば、ある企業が文章生成AIを開発したとします。このAIは、開発した企業が自社サービスで使うだけなら、外部の企業は利用できません。しかしその会社がAPIを公開すると、別の会社のプログラムからそのAIを呼び出して使えるようになります。
イメージとしては、APIはレストランの注文窓口のようなものです。
・利用者(自社のプログラム)が注文を出す
・APIが注文を厨房(AI)に伝える
・厨房(AI)が料理(結果)を作って返す
この仕組みによって、AIの機能を自社のシステムやアプリケーションに組み込むことが可能になります。
クスノキ・プロジェクトでは、APIを介して大規模言語モデル(LLM)というAIを利用します。大規模言語モデルとは、大量のテキストデータを学習したAIであり、文章生成、要約、翻訳、質問応答などを得意とします。こうした機能は、単体のチャットツールとして使うだけでも便利ですが、API経由で利用すると、業務の中で繰り返し使える仕組みへと変えることができます。例えば、
・社内文書をもとに回答案をつくる
・商品説明やメール文案をつくる
といった業務を、システムに組み込んで自動化することができるのです。
実際に、OpenAIのAPIをGoogle Colaboratory上で呼び出してみましょう。
APIを使うには、APIキーが必要です。これは、サービスにアクセスする正式な権利を持っていることを証明するカギのようなものです。
OpenAI APIキーの取得方法 #Python – Qiita
上のような記事を参考に、御自身で取得していただく必要があります。OpenAIのAPIは、従量課金制であることに注意してください。他人に知られると、勝手に使われて料金が発生する可能性があります。そのため、APIキーは他人に共有せず、公開された場所に書かないことが大切です。


例えば、「今日の日付は何ですか?」という質問を入力すると、下のような回答が返ってきます。

正確な今日の日付が返ってきませんでした。これは、
・ハルシネーション:知らない事柄は誤りやすい
・知識のカットオフ:最新の情報は学習されていない
という大規模言語モデルの弱点によるものです。
大規模言語モデルは便利である一方、そのままでは安心して業務に使えない場面があります。この弱点を補うのが、クスノキ・プロジェクトで扱うRAGです。RAGとは、質問に答える前に、まず必要な資料を探し、その資料を参考にしながらAIに回答させる仕組みです。つまり、AIに自分の記憶だけで答えさせるのではなく、社内資料や自社データベースを参照しながら答えさせるという考え方です。
RAGについては、以下のブログで詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。
・AI×事業継承(クスノキ・プロジェクトへの招待 Vol. 19)
・組織における知識伝播とAI (クスノキ・プロジェクトへの招待 Vol. 20)
クスノキ・プロジェクト・ワークショップ当日は、次のような流れを体験していただきます。
1.文字・音声・動画などの資料を、コンピュータが扱える形のデータにする
2.質問に応じて、関連資料を取得する
3.それらの資料を参照しながら、AIに回答を生成させる
この流れを通じて、単なる「AI体験」ではなく、知識を会社に残し、次世代へ伝える仕組みとしてのRAG を体験していただきます。
次回のブログでは、APIを使うとビジネスの中でどのようなことができるのか、より実践的な例をご紹介します。
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※当ブログの記述内容は弊研究所の公式見解ではなく、執筆者の個人的見解です。
株式会社原田武夫国際戦略情報研究所・インターン生 田頭優花拝

