今日、からやらねばならないこと。(原田武夫の”Future Predicts”. Vol. 46)

2025.07.06

「2025年7月5日に何かがニッポンで起きる!」―――そう、大騒ぎしている御仁が大勢いたようだが、何のことはない、「大山鳴動して鼠一匹」どころか、ネズミの一匹すら昨日(5日)、出てはこなかった。無論、我が国では全国で酷暑が続いており、かつ鹿児島のトカラ列島では群発地震が続いていて「要警戒」だ。確かにそういうことはあるのだが、しかし世上想定されていたような事態にはならなかったのである。全くもって拍子抜けしてしまった向きも大勢いらっしゃるのではないかと思っている。

しかし、である。「そう想うこと」は実は早計なのだ。ただ、あらかじめその様に「感づいた」、もっといえば「前兆を感じ取った」その先にあるものが違ったのであって、先触れを感じ取ったこと自体は全くもって間違ってはいなかったはずというのが卑見である。なぜなのか?

かつて「日本語脳」を提唱され、理論のみならず実験によってそれを実証された先達に角田忠信先生(故人)がいらっしゃる。その最晩年において何を隠そう、私も私淑させて頂き、その教えを直接受けることが出来たわけであるが、角田忠信先生が最後の最後に研究テーマとして取り組まれていたものの一つが「予知脳」としての日本語脳なのであった。つまり、こういうことだ。―――「日本語環境で14歳までに育った人間は、須らく日本語脳の持ち主になる。この時、日本語脳では理性と感性の両方を左脳で処理する点に特徴がある。それでは右脳は一体何をしているのかというと、どうも、地震予測を筆頭に”先触れ”を感じることに使われているらしいのだ。」そう考えた角田忠信先生は防衛庁(当時)から研究費を得つつ、この仮説の実証実験を行っていたことでも知られている。

なぜこうした「角田理論」をここで持ち出したのかというと、「2025年7月5日」を前に私たち日本人の少なからぬ者たちが「何か」を先触れとして感じ取ったとしても、それは「右脳」においてであって、無理やりそれを「左脳」によって言語化し、論理的に述べた段階で何か違うものへと転化してしまった危険性があるからなのだ。もっといえば、「予知脳」が対象としていると考えられるのが「無から有」へと転ずる瞬間であるとするならば、それは何も地震に限った話ではないのである。そしてもっというならば、そこで注視すべきは特定の目に見える現象ではないのかもしれず、むしろそうした「物理的な現象」を生じせしめる前提であり、それ以前の何等かの場における変動、それを感じ取っていた結果、今回の「騒動」が生じたのかもしれないのである。

そしてこの関連で、本日(6日)より今上天皇が皇后陛下とモンゴルを御訪問されていることに弊研究所としては大変注目していることは、前回のこのコラムにおいて書いたとおりである。また、併せて公開した公式YouTubeチャンネルにおける動画コラムにおいても、「このタイミングで生じるのは何も目に見える異変や転変地位ではなく、もっと深淵なる転換である可能性が高い」と示唆しておいた次第である。

端的に言うならば、「ここ」すなわち「2025年7月7日」から生じるのは、非常に平たく言うならば「2つの時間が相並び立ち、同時進行していくこと」に他ならないというのが卑見である。もっというならば「時空間の無い場」としての潜象と、「時空間のある場」としての現象のそれぞれに流れている「時間」(本来、前者には時空間は無いわけだが、便宜的にここではイメージしやすいようにその様に表現しておく)が折り重なる様に交錯し、その交錯した場においてはある程度の混濁が生じ、しかしそれでもなお、全く新しいものが始まる、という意味での両者の間における「ズレ」こそが、ここから意識しなければならないことの本質であると私は考えている。

「具体的には何をすれば良いのか?」

そう、読者の皆様から問いかけが必ずやあるはずとも思っている。これまた非常に平たく言うならば、ここからデジタル化はAI(人工知能)の社会実装が猛烈な勢いで進むことにより、極致にまで達することになっていく。そこは猛烈に、物理的な意味での「時間」の早い世界である。しかし、だからこそ、私たち人類はというとそこから離脱し、むしろゆったりとした「時の流れ」の中で再び安定を見出さなければならなくなってくるのである。無論、その意味での安定性に到達するまでの間には、とりわけ前者の「猛烈なスピード」へと自己を適応させようとし、病に伏せる人も大勢いることであろう。他方で後者は後者で修練が必要であり、それを積むことの出来なかった人類の多くがこれまた「何のために生きているのか」を見失い、凄まじい混乱の時代をさらにかき回していく挙に出ることとなる。

すなわち、「ここ」から大切なのは「時間を制すること」なのである。「カイロス」と「クロノス」と古来認識されている「時間」を根底からつかみとり、それをわが物とすること。そのためにはAI(人工知能)の最新の力を惜しみなく用い、自らは泰然とした日々の営みを創り上げ行くこと。これこそが「今・ここ」から最も大事なことなのである。そして弊研究所としてもこの意味での「人間的な、余りにも人間的な(Menschliches, allzumenschliches)」な転換点において皆様がスムースに移行していくためのツールを、近々リリースしていきたいと考えている。12日に開催される「2025年夏IISIAセミナー」においては「このこと」を共通テーマとしてお話したいと考え、これらツールを一部、先行公開したいと考えている。是非、「転ばぬ先の杖」として一人でも多くの皆様にご参集願えればと考えている。

2025年7月6日 東京の寓居にて

株式会社原田武夫国際戦略情報研究所 ファウンダー/代表取締役会長CEO/グローバルAIストラテジスト

原田 武夫記す

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今回のコラム、いかがでしたでしょうか?このイシューも含め、弊研究所の見解をもって未来を皆様と共に見通すべく、来る7月12日(土)に「2025年夏・IISIAセミナー」を東京にて開催致します。詳細とお申込みは今すぐこちらからどうぞ!(HPにジャンプします)