世界の潮流から考えるAIとの向き合い方(クスノキ・プロジェクトへの招待 Vol.30)

はじめまして。
インターン生の藤野梨沙です。
7月25日(土)をもちまして、社会貢献事業「クスノキ・プロジェクト」ワークショップの参加申込みを締め切らせていただきました。
このたびは多くの皆さまからご応募をいただき、誠にありがとうございました。インターン生一同、皆さまからお寄せいただいたご関心や期待の大きさを大変ありがたく受け止めています。
クスノキプロジェクトは、いよいよ9月から始まります。
開始まで少し時間がありますが、その間にもAI(人工知能)を取り巻く世界の動きは目まぐるしく変化しています。私自身も日々その動きを追いながら多くのことを学び、考えさせられています。
そこで全3回にわたりAIを巡る世界的な潮流に焦点を当て、各国や国際機関がAIをどのように捉えどのような動きを進めているのかについて、皆さまと共有できればと思います。皆さまにとって、AIについて考える一つのきっかけとなれば幸いです。
近年、“AI”という言葉を耳にしない日はもはやないのではないでしょうか。
文章作成、画像生成、検索、翻訳、業務支援――。AIは今や私たちの日常や仕事の中に急速に入り込んでいます。
「AIを使えば、これまで時間をかけていた作業が短縮できる」
「AIによって、これからの働き方は大きく変わるかもしれない」
こうした期待の一方で、
「AIが社会に与える影響はどこまで広がるのか」
「私たちはAIとどのように向き合えばよいのか」
という問いも、同時に生まれています。
皆さまにとっても、AIはもはや日々の意思決定にも関わる重要なテーマになりつつあるのではないでしょうか。
実は、この問いは私たち一人ひとりだけが抱えているものではありません。現在、世界各国の政府や国際機関においても、AIをどのように社会へ取り入れ、どのようなルールのもとで活用していくべきかという議論が活発に行われています。
AIは単なる業務効率化のための技術という枠を超え、教育、人権、経済、安全保障、医療など、社会全体の在り方に関わる存在として認識され始めています。そのため各国政府だけではなく、国際社会全体で「AIとどのように向き合うべきか」という対話が進められています。
インターン生として日々の業務に携わる中で私自身が印象的だったのは、世界ではAIそのものの性能だけではなく、「AIを社会の中でどのように活かし、どのようなガバナンスのもとで共存していくのか」という点に目を向けられ始めているということです。
私自身まだ学びの途中ではありますが、AIを巡る議論は技術だけにとどまらず、社会全体の在り方へと広がっていることを実感する場面が少なくありませんでした。
その象徴とも言えるのが、国連(国際連合)の動きです。
国連というと、平和維持活動や紛争解決、人道支援などを思い浮かべる方も多いかもしれません。国連は1945年の設立以来、平和と安全保障を大きな使命としてきましたが、その後、人権、教育、開発、環境問題など、世界共通の課題についても議論する場となってきました。
そして現在、新たな世界的課題としてAIが注目されています。
国連には、主要な審議機関として国際連合総会、安全保障理事会、経済社会理事会があります。
国際連合総会では、加盟国が平和や持続可能な開発、人権、環境など、国際社会全体に関わる幅広い課題について議論を行います。安全保障理事会は、紛争や武力衝突、テロリズムなど、国際の平和と安全の維持に関する問題を扱う機関です。また、経済社会理事会では、経済・社会・教育・保健・科学技術といった分野における国際協力や持続可能な発展について議論が重ねられています。
近年、AIはこれらすべての分野と深く関わる存在となりました。そのため、AIは一国や一企業だけの課題ではなく、国際社会全体で方向性を共有すべきテーマとして位置付けられ、国連においてもガヴァナンスや倫理、国際協力の在り方について活発な対話が進められています。
こうした流れの中で開催されたのが、スイス・ジュネーブで行われた国連「Global Dialogue on Artificial Intelligence Governance(AIガバナンスに関するグローバル対話)」です。
弊研究所代表・原田武夫もこの会議に参加し、現地で世界各国の政府関係者や企業、研究者の方々との対話に加わりました。帰国後には、その際に感じたことや現地での様子をブログで紹介しています。ニュースだけでは伝わりにくい現場の空気感や問題意識が綴られていますので、ご関心をお持ちの方はぜひご覧いただければ幸いです。
そして、このような世界的なAIを巡る対話が進む中で、私たちインターン生にとって身の引き締まる出来事がありました。
クスノキプロジェクトが、国連「Global Dialogue on AI Governance」の「AI Dialogue Partnerships Hub」において、日本のデジタル人材不足に対応するAI教育・能力開発、そして世代間学習の実践事例として掲載されたのです。
私自身、この知らせを聞いたときは大変うれしく思うと同時に、身の引き締まる思いもしました。
クスノキプロジェクトは、AIの使い方だけを学ぶ場ではありません。
AIという大きな変化の中で、「自分はどのように生きるのか」「AIとどのように関わっていくのか」を、皆様が考えるきっかけになればという思いで準備を進めています。
私自身も、この活動に携わる中で日々多くのことを学ばせていただいています。
次回は、AIを巡る各国の状況について取り上げる予定です。同じAIという技術を前にしても、国によって目指す方向性や考え方にはさまざまな違いがあります。私自身も学びながら、その内容を皆さまと共有できればと思っています。
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※当ブログの記述内容は弊研究所の公式見解ではなく、執筆者の個人的見解です。
株式会社原田武夫国際戦略情報研究所・インターン生 藤野梨沙拝

